持続可能な観光

カテゴリ: 観光施策・戦略

持続可能な観光とは

「訪問客、産業、環境、受け入れ地域の需要に適合しつつ、現在と未来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光」と定義されます。SDGs(持続可能な開発目標)の観点から、観光地が資源を使い潰すのではなく、守りながら活用し、次世代に継承していくことを目指します。具体的には、自然環境の保護(プラスチック削減など)、文化遺産の保全、地域経済への還元(地産地消)、雇用環境の適正化などが含まれます。欧米の旅行者は特にサステナビリティへの意識が高く、旅行先選びの基準として「その地域が環境に配慮しているか」「倫理的な運営をしているか」を重視する傾向があります。

最新動向 (2024-2025年)

国際的な認証機関(GSTCなど)の基準に基づいた観光地づくりが進んでいます。ニセコ(北海道)や白馬(長野)など、国際的なスノーリゾートでは、雪資源を守るための気候変動対策(再エネ導入など)が最優先課題となっています。2025年に向けては、「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)」という言葉が浸透し始めています。これは事業者だけでなく、旅行者自身も「自分の行動に責任を持つ」ことを求める考え方です。ゴミを持ち帰る、マイボトルを持参する、地域のルールを守るといった行動憲章(プレッジ)への署名を求める地域も増えています(例:ハワイのポノ・プレッジなど)。

AI・テクノロジーとの関わり

環境負荷の可視化にテクノロジーが活用されています。宿泊施設が排出するCO2量や、廃棄物量、水の使用量をIoTセンサーで自動計測し、削減努力を見える化するシステムが登場しています。また、AIを活用してフードロスを削減する取り組みも進んでいます。旅館やホテルのビュッフェにおいて、過去の喫食データと予約状況から、必要な食材量をAIが高い精度で予測し、作りすぎによる廃棄を劇的に減らしています。これはコスト削減と環境保護の両立という、サステナブル経営のモデルケースです。

トラブル・失敗事例

「グリーンウォッシュ(見せかけの環境配慮)」への批判が高まっています。「環境に配慮してアメニティを減らしました」と言いながら、実際はコストカットが目的であることを見透かされたり、自然保護を謳いながら裏で乱開発を進めていたりする場合、SNSで内部告発され、炎上するリスクがあります。誠実さ(オーセンティシティ)が何よりも重要です。また、サステナビリティへの取り組みが、かえって旅行者の利便性を極端に損なう場合(例:エアコンの使用制限が厳しすぎて快適に過ごせない)、満足度低下を招くこともあり、バランスが難しいところです。

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