日本の再訪意向、52.7%で世界1位に
株式会社電通の「ジャパンブランド調査2025」によると、日本は世界で最も「再訪したい国」として全体の52.7%の支持を集めました。特にアジア市場での優位性が際立っており、円安以上に食や文化といった日本の魅力が旅行者を惹きつけていることが示されました。
AIが切り拓く観光ビジネスの新地平
2025年観光業界徹底調査：インバウンド8兆円市場・円安効果・AI革命
8.1兆円
インバウンド消費額
4,020万人
2025年予測訪日客数
25.1兆円
国内旅行市場規模
2025年観光ビジネス業界概要
日本の観光業界は、AI技術の革新的導入、歴史的な円安効果、そして物価高という三つの大きな変化の波に直面しています。この複雑な環境下で、業界は前例のない成長と同時に新たな課題に対処しなければなりません。
AI技術革命
人工知能による24時間多言語サポート、パーソナライズされた旅行プラン自動生成、需要予測に基づくダイナミックプライシングなど、AIが観光体験そのものを根本から変えています。生成AIの普及により、旅行者の50%が2025年には旅行計画にAIを活用すると予測されています。
インバウンド市場爆発
2024年の訪日外国人旅行消費額は8兆1,395億円と過去最高を記録し、2025年には4,020万人の訪日が予測されています。円安効果により、特に欧米豪からの高消費客層が急増。一人当たり22万7,000円の消費額は、高付加価値化戦略の重要性を示しています。
円安・物価高の二面性
円安はインバウンドには追い風となる一方、事業者には燃料費・食材費高騰による経営圧迫要因となっています。国内旅行者にとっては旅行コスト上昇がハードルとなり、業界は価格戦略の巧妙なバランス調整を求められています。
最新業界ニュース
2024年の訪日外国人旅行消費額、8兆円を突破し過去最高を記録
観光庁の発表によると、2024年の訪日外国人旅行消費額は推計で8兆1,395億円となり、過去最高を更新しました。1人当たりの旅行支出が22万7,000円と増加しており、円安を背景とした旺盛なインバウンド需要が日本経済を力強く下支えしています。
2024年の日本人国内旅行消費額も過去最高の25.1兆円に
観光庁の調査で、2024年の日本人国内旅行消費額が前年比14.8%増の25兆1,536億円となり、過去最高を記録したことが分かりました。物価高の影響もあり、一人当たりの旅行単価が上昇したことが主な要因と考えられます。
2025年夏、世界の人気旅行先で東京が1位、大阪が2位に
マスターカード経済研究所のレポートによると、2025年夏の人気旅行先ランキングで東京と大阪がトップ2を独占しました。歴史的な円安が大きな追い風となり、特にアジアからの観光客に強い影響を与えていると分析されています。
生成AIの活用が本格化、旅行者の半数がレジャー旅行での利用を予測
米旅行調査会社フォーカスライトは、2025年には旅行者の50%がレジャー旅行の計画などに生成AIを利用すると予測しています。個人のニーズに合わせた旅行プランの提案や予約の自動化など、AIが旅行体験を大きく変える未来が近づいています。
業界規模と市場構造
インバウンド市場（訪日外国人旅行）
旅行消費額
8兆1,395億円（2024年推計・過去最高）
2019年比69.1%増という驚異的な伸び。2025年には10兆円規模到達の可能性も視野に入っています。
一人当たり支出
22万7,000円
特にイギリス（約41万円）、オーストラリア（約40万円）からの旅行者の消費額が高い傾向。高付加価値化が進行中。
費目別構成
宿泊費: 33.6%
買物代: 29.5%
飲食費: 21.5%
国内旅行市場
旅行消費額
25兆1,536億円（2024年・過去最高）
コロナ禍前の2019年と比較して14.7%の増加。物価高の中でも旅行需要は堅調に推移。
一人当たり旅行単価
4万6,585円（2019年比24.7%増）
特に宿泊旅行の単価が6万9,362円（同26.0%増）と大きく伸長している。
内訳
宿泊旅行: 20兆3,325億円
日帰り旅行: 4兆8,211億円
2025年ビジネス予測と関西万博効果
JTB予測による2025年展望
4,020万人
訪日外国人旅行者数予測
過去最高となった2024年をさらに上回る見込み。政府目標の2030年6,000万人達成への重要な中継点。
3億500万人
国内旅行人数予測
14兆5,900億円の総旅行消費額で安定成長を維持。物価高の影響を受けながらも旅行意欲は堅調。
大阪・関西万博がもたらす特別効果
2025年開催の大阪・関西万博は、インバウンド需要にさらなる押し上げ効果をもたらすと期待されています。万博期間中の6ヶ月間で約2,820万人の来場者を見込み、このうち約350万人が海外からの観光客と予測されています。
- 関西圏への集中効果： 大阪、京都、奈良を中心とした関西圏全体の観光需要が大幅に増加
- インフラ整備の恩恵： 交通インフラの改善により、万博後も持続的な観光効果が期待
- 新たな観光コンテンツ： 万博をきっかけとした新しい体験型観光の創出
- 地方への波及効果： 万博来訪者の地方観光地への分散化促進