リピーター率

カテゴリ: 市場分析・統計

リピーター率とは

訪日外国人旅行者のうち、2回目以上の来訪者の割合を示す指標です。日本のインバウンド市場の特徴は、このリピーター率が極めて高いことにあります。観光庁のデータによれば、訪日客全体の約6割〜7割がリピーターで占められており、特に台湾や香港からの旅行者に至っては8割を超えています。彼らは「日本通」であり、定番の観光地だけでなく、よりディープな地方の観光地や、特定の趣味(スキー、アニメ、伝統工芸など)を求めて来訪する傾向があります。リピーターを維持・拡大することは、広告宣伝費を抑えつつ安定した観光収入を得るために不可欠であり、LTV(顧客生涯価値)を高めるためのCRM(顧客関係管理)戦略が重要視されています。

最新動向 (2024-2025年)

2024年は、コロナ禍で日本に来られなかった「日本ロス」層が一気に回帰し、リピーター率を下支えしました。しかし、2025年に向けては、リピーター層のニーズがより細分化・マニアック化しています。「ただ日本に行く」だけでなく、「○○県のこの酒蔵でしか飲めない酒を飲む」「××アニメの聖地でコスプレ撮影をする」といった具体的な目的を持ったリピーターが増えています。これに対応し、自治体側も「何でもある」という総花的なPRから、「これしかない」という一点突破型のニッチなPRへと戦略を転換しています。また、デジタルノマドビザの導入により、リピーターが「居住者」に近いステータスで長期滞在するケースも増え始めています。

AI・テクノロジーとの関わり

リピーターを飽きさせないために、AIによる「未知の提案」が威力を発揮します。私の関わったプロジェクトでは、過去5回日本に来たことがある台湾人旅行者に対し、AIが「まだあなたが訪れていない、かつあなたの好みに合う場所」として、島根県の隠岐諸島を提案しました。AIは彼のSNSの画像解析から「断崖絶壁の風景」と「新鮮な魚介類」が好きであることを突き止めたからです。結果、彼はその提案に驚きつつも実際に訪れ、「人生最高の旅だった」と評価しました。このように、人間のガイドでも思いつかないような意外性のあるマッチングを、AIは膨大なデータの中から見つけ出し、リピーターに新たな感動を提供します。

トラブル・失敗事例

リピーターだからといって甘えは許されません。「以前はもっと良かったのに」という失望は、新規客の不満よりも深刻なダメージをブランドに与えます。ある老舗旅館では、人手不足によりサービスレベルが低下し、長年の常連海外客から「日本のオモテナシは死んだ」という厳しいレビューを書かれ、それがきっかけで客足が遠のいた事例があります。また、リピーターは変化に敏感です。街並みが再開発で画一的になったり、どこにでもあるチェーン店ばかりになったりすると、「日本らしさがなくなった」と敏感に感じ取り、二度と来なくなります。変わらない良さと、新しい刺激のバランスを保つことが、リピーター施策の難しさであり重要ポイントです。

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