体験型消費

カテゴリ: 体験・サービス

体験型消費とは

「モノ(物品)」ではなく「コト(体験)」にお金を使う消費行動のことです。「コト消費」とも呼ばれます。訪日外国人の購買行動は、電化製品や化粧品を大量に買う「爆買い」から、その土地でしかできない体験(着物の着付け、座禅、農泊、トレッキングなど)にお金を払うスタイルへと劇的にシフトしています。物質的な豊かさよりも精神的な満足や自己成長を求める世界的なトレンドと連動しており、特に欧米豪の旅行者にこの傾向が強く見られます。体験型消費は、在庫リスクがなく、地元の人的リソース(ガイドや職人)を活用できるため、地域への経済波及効果が高いのが特徴です。

最新動向 (2024-2025年)

2024年以降は、単なる体験から「トランスフォーマティブ・トラベル(変革の旅)」へと進化しています。ただ楽しむだけでなく、その体験を通じて自分の価値観が変わったり、社会課題への理解が深まったりするような、深いレベルでの体験が求められています。例えば、「海女さんと一緒に潜って海洋プラスチック問題を学ぶツアー」や、「限界集落で古民家改修を手伝いながら暮らすツアー」などが注目されています。2025年に向けては、夜間の体験コンテンツ(ナイトエンターテイメント)の拡充も進んでおり、能舞台での夜間公演や、夜の美術館ツアーなどが人気を集めています。

AI・テクノロジーとの関わり

体験の価値を最大化するために、VR/AR技術が使われますが、マッチングにおけるAIの役割も重要です。Airbnbの体験セクションや、Klookなどのアクティビティ予約サイトでは、AIがユーザーの過去の予約履歴や閲覧行動から、「あなたなら、この陶芸教室よりも、こっちの金継ぎ体験の方が好きでしょう」といった高度な提案を行います。また、体験中の「決定的瞬間」を自動撮影するAIカメラサービスも登場しています。ラフティングやジップラインなど、自分では撮影できないアクティビティ中に、AIカメラが良い表情を自動で認識して撮影・編集し、体験終了後にショートムービーとして提供するサービスは、SNSでのシェアを促し、宣伝効果も抜群です。

トラブル・失敗事例

「体験」の品質管理が課題です。ガイドのスキルにバラツキがあり、「説明がつまらない」「英語が通じない」といった不満が出ることがあります。また、安全管理の不徹底による事故(カヌーの転覆や、トレッキング中の滑落など)は、観光地全体のイメージダウンにつながります。ある地域では、無許可の白タク行為に近いツアーが横行し、正規の事業者との間でトラブルになりました。品質保証(クオリティ・アシュアランス)の仕組みと、ガイドの育成・認定制度が不可欠です。「安かろう悪かろう」の体験商品は、長期的には地域ブランドを毀損します。

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