韓国市場訪日観光の現状
韓国からの訪日観光者数は、近年、過去最高水準を更新しています。円安効果も相まって、観光消費額も大幅に増加しており、日本の観光業界にとって最も重要な市場の一つとなっています。
韓国大手OTA2社の戦略
インタビューによると、韓国大手OTA(オンライン旅行会社)は、以下の点に注意を払っています:
モバイル前提の導線設計
韓国人観光客のほとんどは、スマートフォンで観光を計画・予約します。モバイルサイトやアプリの使いやすさが非常に重要であり、リアルタイムでの空席確認が必要です。
「旅ナカ」消費の獲得
従来の「観光前」消費に加え、「観光中」の体験や食事を積極的に推奨する導線設計が求められています。移動・体験・購入を統合したサービスの提供が必要です。
在庫連携と即時予約
観光事業者が提供する在庫とOTAの即時予約システムの連携が不可欠です。これにより、観光客はリアルタイムで空席を確認し、即座に予約を入れることができます。
日本企業への示唆
韓国の観光市場を獲得するためには、以下の点が重要です:
- 韓国語対応の充実
- モバイルでの紹介の最適化
- 体験型コンテンツの用意
- 即時予約システムの導入
今後の展望
韓国市場はまだ成長の余地があります。観光「周遊」を促進する商品開発や、人気スポット以外の体験提供など、差別化されたサービスが求められるでしょう。
韓国市場向けの情報発信で意識したい言語対応
情報発信の言語対応は、単に文章を置き換えるだけでは十分に機能しません。地名や施設名の表記、営業時間や休業日の伝え方、予約の可否といった実務的な情報が正確に届くかどうかが、実際の来訪につながります。翻訳の際は、旅行者が判断に必要とする情報が抜け落ちていないかを確認したいところです。現地の祝日や長期休暇の時期に合わせた情報の出し方も、来訪の後押しにつながる要素になります。
また、現地でよく使われる検索の言葉や表現に合わせることも大切です。日本語をそのまま訳した用語より、現地で一般的に使われる呼び方の方が探してもらいやすくなります。可能であれば、その市場に詳しい人に内容を確認してもらう工程を入れると精度が高まります。公開後も問い合わせの内容を見返し、伝わりにくかった点を修正していく姿勢が求められます。
外部の予約経路と自社予約をどう組み合わせるか
オンライン旅行会社を通じた集客は、幅広い層に届くという強みがある一方で、手数料の負担が生じます。すべてを外部に依存すると収益性が下がり、価格の主導権も持ちにくくなります。新規の獲得は外部の力を借り、再訪や直接の問い合わせは自社の窓口へ誘導するといった役割分担が現実的です。手数料を経費として織り込んだうえで、価格設定を組み立てておくことも重要になります。
その際、在庫情報や料金の整合が取れていないと、予約の取り違えや顧客対応の混乱を招きます。複数の販売経路を持つほど、情報を一元的に管理する仕組みの重要性が増します。運用の負担を見積もったうえで、扱う経路の数を決めることも一つの判断です。扱う経路を増やす前に、現在の運用がきちんと回っているかを見直すことをお勧めします。
リピーターを増やすための地方誘客の切り口
訪問回数を重ねた旅行者は、定番の観光地よりも、まだ知られていない地域や体験に関心を向ける傾向があります。地方の事業者にとっては、こうした層に届く発信ができれば、大都市との競合を避けて集客できる可能性があります。移動手段や所要時間まで具体的に示すことが、検討を後押しします。最寄り駅からの経路や所要時間を写真つきで示すだけでも、検討の心理的な壁は下がります。
また、一度訪れた人との接点を持ち続けることも重要です。季節ごとの情報や新しい体験の案内を届けられる関係があれば、次の訪問につながりやすくなります。新規獲得に力を注ぐだけでなく、既に来てくれた人との関係を育てる視点を持ちたいところです。関係を保つ手段は、必ずしも大がかりな仕組みである必要はありません。